弁護士になれるのは何歳から?未成年や最年少の弁護士事情【予備試験から司法試験】

司法試験は簡単な試験ではないため、合格するためには長い学習時間が必要になります。
そうなると「弁護士として活躍できる頃には、もう中年になってしまっているのではないか」と心配になるかもしれません。

しかし弁護士として実際に活躍している方の年齢は、実は弁護士への一般的なイメージとは少し異なっています。
未成年の方でも、弁護士として働くことは法律上可能です。

  1. 弁護士として活躍している人の年齢は?
  2. 未成年でも弁護士になれるのか?
  3. 最年少の弁護士は何歳?

こうした弁護士の年齢に関する疑問について見ていきましょう。

弁護士として活躍している方の年齢

弁護士になる方の数字は年々増加しており、1950年には5,827人だった弁護士数は、45年後の1995年時点では約15,000人まで増えました。
2018年3月の時点で、日本には40,066人の弁護士がいます。

では弁護士になる、つまり司法試験に合格する方の平均年齢はどれくらいなのでしょうか?

司法試験に合格する方の平均年齢

試験の難易度が非常に高いため、司法試験に合格する方の年齢層は様々です。
2017年と2018年のデータを確認すると、司法試験の合格者の平均年齢は28.8歳と言われていました。

実は、この合格者の平均年齢は以前から大きく変化することなく、30歳前後を行ったり来たりしている状態です。
では弁護士とした活動している方の中で、どの年齢層が1番多いのでしょうか?

弁護士の年齢構成

弁護士の年齢構成の中で最も割合が多くなっている年齢が、弁護士として1番の脂がのって活躍できている年齢層と言えます。
年齢構成は以下のようになっています。

  • 20歳から29歳:2,848人
  • 30歳から39歳:13,172人
  • 40歳から49歳:9,951人
  • 50歳から59歳:4,490人
  • 60歳から69歳:4,287人
  • 70歳から79歳:3,489人
  • 80歳以上:1,829人

このデータを見ると、年齢構成の中で最も多いのが30歳から39歳までの13,172人で、次に多いのは40歳から49歳までの9,951人です。

つまり法曹界において、もっとも活躍しているのは30歳から49歳までの弁護士です。

28歳の頃に司法試験に合格し、その後10年ほどで弁護士として経験を増した時期が、最も脂が乗っている時と言えます。

但し、70歳以上の弁護士の方も合計すると5,318人以上となり、全体の13%以上となります。

他の職業と比較してみると、高齢になったとしても現役として多くの弁護士が働いていることを意味しています。
つまり弁護士は、他の職業と比較して現役でいられる時間は長く、活躍できる時間は比較的長期間となります。

未成年でも弁護士になれるの?

弁護士になるためには大学の法学部を卒業していなければならないと感じておられる方も多いようですが、実は必須の条件ではありません。

結論から言うと、未成年でも司法試験を受験することができるため、理論的には未成年でも弁護士になることは可能です。
司法試験を受けるための条件は2つあります。

  1. 法科大学院の修了
  2. 予備試験の合格

つまりこの条件だけであるということは、司法試験の受験に年齢制限はないということになります。
それでも多くの方が大学に進学してから司法試験を受けるようにしていたのはなぜでしょうか?

司法試験の一次試験

以前は、司法試験を受験する前に難易度の高い一次試験というものがあり、この試験に合格しなければ司法試験を受けることができませんでした。

しかし大学の一般教養科目を修了すると、この一次試験を回避することができたため、以前は科目が修了する20歳が司法試験を受験する最低年齢になっていました。

法科大学院制度の始まり

法科大学院制度が始まったため、司法試験を受験する多くの方が法科大学院の修了後に司法試験を受験するようになりました。

ストレートで法科大学院に入学したとしても、修了時に年齢は24歳になっているため未成年の弁護士はほとんどいなくなりました。

司法試験予備試験の始まり

法科大学院制度の場合、大学院に行けない人は弁護士になれないという事になります。
そのため2011年に司法試験予備試験が実施されることになりました。

この試験に合格した者は、法科大学院修了者と同じ学識を有していると認められます。
この予備試験には年齢制限はないため、仮に高校生でも予備試験に合格できれば司法試験を受験できるようになりました。

つまり2011年から弁護士になる若者が増える見込みができたということです。

弁護士になった最年少の方はいくつ?

予備試験を利用する未成年の方が増えてくることで、2017年には18歳の方が予備試験に合格するという快挙が起きました。
2019年には、当時19歳の方が予備試験に合格した後、司法試験にも合格し、晴れて弁護士になりました。

今後、予備試験を利用する若者が増えてくると、司法試験合格者の平均年齢が28.8歳から20代前半に下がる可能性も否定できません。
そうなると弁護士全体の年齢構成も若返ることとなり、活躍する年代が20代の後半という事になるかもしれません。

司法試験の予備試験を利用することで、未成年の弁護士が増えてくる可能性もあります。
もちろん試験の難易度は非常に高いため、簡単に合格することはできないでしょう。

しかしすでに19歳の方が司法試験に合格し弁護士になっているという事例があることからしても、弁護士の年齢層が若くなることも期待できます。
司法試験の受験に年齢制限はなく、また弁護士が活躍できる年齢層は非常に幅広いため、どんな年齢であっても諦めず果敢に挑戦しましょう。

弁護士になるために受ける司法試験の受験資格について

弁護士や裁判官、検察官という職業に就くためには、司法試験に合格しなければなりません。

司法試験に関する制度を定める、司法試験法は状況に応じて改正されるため、受験資格について最新の情報に精通する必要があります。
司法試験を受験するためには、現在以下の2つの方法があります。

  1. 法科大学院の修了
  2. 予備試験に合格

2019年時点で、この2つの条件に適っている方だけが弁護士の登竜門となる司法試験を受験できます。
2つの受験資格の詳細について見ていきましょう。

法科大学院を修了

1つめの司法試験の受験資格は、法科大学院の修了です。

  • 法科大学とは?
  • 法科大学入学に必要なことは?

法科大学に関係する上記の2つの点を確認していきましょう。

法科大学院とは?

法科大学院の制度は2004年4月に創設された、専門職大学院という法曹養成スクールです。
法科大学院ができる前は、司法試験に合格するために多くの学生や受験者が、司法試験予備校に通っていました。

予備校の目的は司法試験に合格させることであり、法律事務を行うに相応しい人材を育てることではありません。
そのため法科大学院制度を導入することで法曹の養成を行ない、質の高い法律家の育成を行うようになりました。

法科大学院に入学するために必要なこと

法科大学院に入学するためには、以下のような条件に適っている必要があります。

  • 大学を卒業した者(卒業予定も可)
  • 学士の学位を授与された者
  • 4年以上の専修学校の専門学校を修了した者
  • 文部科学大臣が指定した者
  • 大学院に入学した者
  • 法科大学院の個別の入学資格審査を通過した者
  • 大学に3年在籍し学士の学位に相当する学位を授与された者
  • 大学に3年在籍し法科大学院が優れた成績と認めた者

法科大学院に入学するための資格は、上記のどれかに適っていることです。
大学を卒業していれば、少なくとも入学資格があるということになりますが、それぞれの法科大学院によって若干条件が異なるのでご確認ください。

法科大学院の受験内容

法科大学院に入学するためには、試験に合格しなければなりません。
受験内容は受験生の状況によって2つに分かれます。

  1. 法学既修者
  2. 法学未修者

受験者が法学既修者であれば、入試内容は以下のようになります。

★法律論文試験
★面接
★語学
★自己評価書

法律論文試験では、刑法や民法、憲法など非常に広い範囲の問題が出されます。
法学既修者が入試に合格すると、2年の既修者コースが始まり、修了時に司法試験受験資格を取得できます。

それに対し、未修者は次のような入試内容となります。

★10,000文字程度の小論文
★面接
★語学
★自己評価書

法学未修者なので、法律に関する知識が試されるような試験は多くなく、なぜ法曹になりたいのか、また読解力や論理的思考の有無を試される入試内容です。
この入試に合格すると、3年間の法学未修者コースが始まり、終了後に司法試験の受験資格を取得できます。

予備試験に合格する

2つ目の司法試験の受験資格は、司法試験の予備試験に合格することです。
法科大学院の修了の場合、少なくとも大学卒業と法科大学院の2年間の授業が必要であるため、24歳くらいで司法試験を受験ができるようになります。

しかし予備試験には年齢制限がなく、誰でも受験することができるので、大学生や高校生でも受験はできます。
試験の内容は次のようになります。

予備試験の内容

予備試験は、毎年司法試験と同じ5月に行われます。
試験は1日で終わるのではなく、以下のように3回に分けて実施されます。

  1. 短答式試験:5月
  2. 論文式試験:7月
  3. 口述式試験:10月

短答式試験の科目は大きく分けると、一般教養と法律基本科目の2つです。
一般教養の中には、人文科学や社会科学、事前科学、英語があり、法律科目には憲法や民法、商法、刑法などが含まれているので、内容はかなり広範囲になります。

論文式試験は、短答式試験と同じ2科目に加えて、法律実務基礎科目が入ってきます。
法律実務基礎科目とは民事・刑事訴訟実務や法曹倫理のことです。

口述式試験の内容は、民事と刑事の法律実務基礎科目のみになります。
この試験に合格できれば、司法試験を受験できるようになりますが、法科大学院の修了と同程度の能力が必要とされる難易度の高い受験です。

司法試験の受験制限

上記の2つのうちどちらかの受験資格を満たした段階で、司法試験に挑戦できるようになります。
しかし時間的な面で制限があるので、注意しましょう。

受験資格取得後5年

司法試験の受験資格を取得してから、5年以内に司法試験に合格できないと、司法試験の受験資格を喪失してしまいます。

喪失した受験資格を再び得るためには、法科大学院にもう一度通うか、予備試験を受験してもう一度合格しなければなりません。
時間的な制約があることは覚えておきましょう。

司法試験は、弁護士などの法曹として働くために合格しなければならないものです。
しかし受験資格を得るだけでも、非常に難易度が高く、そう簡単には司法試験を受験できません。

しかし予備試験という制度によって、経済的な理由のため大学に通えなかった方でも、弁護士になれる可能性が開けました。
これは非常に大きな変化になるので、少しでも早く弁護士になりたいという方は予備試験を目指してみるのも良いでしょう。
じっくりと司法試験に向けて準備をしていきたいという方は、法科大学院を選択することもできます。

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